仮想通貨取引所で仮想通貨を購入する方法には2通りがあります。
「販売所」で業者から直接仮想通貨を購入する方法と、「取引所」に登録しているユーザー同士による取引によって仮想通貨を購入する方法です。
取引所での売買は「板取引」と呼ばれています。
注文価格の一覧になっている表が「板」と呼ばれるため、板取引という名前が付いています。
●板取引
板取引は証券取引所で行われている株式の取引とほぼ同じ方法が採られています。
仮想通貨を買いたい人と売りたい人がそれぞれ希望の価格を指定し、買い注文価格と売り注文価格が一致すると、売買が約定することになります。分かりやすいイメージとしては、オークションのような感じです。
「板」をみれば、どれだけの人が、どの価格で、どれくらい買いたい(売りたい)のかが一目で確認できます。
●板情報
板取引の画面は取引所によって若干表示方法が異なりますが、取引方法はどの取引所でも同じです。売買したい価格は手動でも入力できますが、板の価格をクリックして注文欄に映し出すこともできます。
ところで、板情報が以下だったとします(計算上、分かりやすい単位に変えています)。
1)売り板
・30枚:55万円
・20枚:54万円
・40枚:53万円
・30枚:52万円
2)買い板
・40枚:51万円
・80枚:50万円
・50枚:49万円
・40枚:48万円
板の価格は高いもの順に表示されます。そして、注文の約定は一番安い売り注文、一番高い買い注文から決まっていきます。
●注文の約定
上記の板では、最も安い売り注文は52万円の30枚で、最も高い買い注文は51万円の40枚です。従って、この時に指値で52万円の買い注文を出せば、30枚まで購入できます。
なお、この板の時に指値注文より優先される成行注文で50枚の買い注文を出したとします。成行注文は価格の低い注文から成立されるため、最も安い価格の52万円の30枚が約定され、残数の20万円が次に高い売り価格の53万円で約定されます。
また、上記板において、反対に成行注文で50枚の売り注文が入ると、一番高い買い注文である51万円の40株と、50万円の10枚が約定されます。
●約定における2つの原則
仮想通貨の板取引は、「時間優先の原則」と「価格優先の原則」という2つの原則に即して売買が行われます。
1.時間優先の原則
時間優先の原則とはその名の通り、同じ価格で指値注文を出した場合は先に出した注文が優先されるというものです。俗に言う、早い者勝ちです。従って、自分と同じ価格の注文が先に50枚出ていると、その50枚が約定されない内は、自分の注文が成立しません。なお、成行注文が複数あった場合も当然、先に出した成行注文が優先されます。
2.価格優先の原則
注文の価格が異なっていた場合は以下のものが優先されます。
・売り:最も価格の低い注文
・買い:最も価格の高い注文
従って、50万円と51万円の売り注文があった場合は、50万円の注文から約定します。